霧島市横川町へ。5人家族の移住ブログ

霧島市の北のはしっこにある横川という町に惚れ込んで、5人家族まるごと移住するべく準備中。その様子をポツポツ書きます。

横川の日常から見えてくる、この町の個性と強み。

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横川駅で鉄道模型展を開催した時の入場切符。粋なおもてなし♪観光列車「はやとの風」をバックに。

胃もたれ注意の横川いいでしょ自慢。

1記事で終わるはずが、ネタがありすぎて後半へ続き、後半も終わらずに結局3部作になりました(笑)

 

 今回は、学校の規模感や地域活動、町の様子、地元商店など、毎日の暮らしに関わるところをご紹介!

たしかに、横川には”何でも”は無い。でも、この町に今あるものは一つ一つが個性があって、すごく魅力的だなぁと思うのです。そんなお話。

 

yokogawa-ijuu.hatenablog.com

▲ 横川いいでしょ自慢3部作の1記事目。横川の周辺環境について。実はめっちゃアクセス良い田舎なんです。

 

yokogawa-ijuu.hatenablog.com

▲ 3部作の2記事目。「横川って不便だよ」と言うけれど、それを上回る良いところいっぱいあるんだよっていうのを力説しています。書き終わったら目が回ってたくらいカロリー使った(笑)

 

 

学校の規模感と地域との距離

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横川駅を描いた大きなアート。これ、実は全部つまようじでできています!!横川中学校の生徒たちが制作。

横川町内には小学校が3つあります。

中心部にあるのが横川小学校。一学年が20名くらい。

横川小より西側の山の上にある安良小学校と、南側にある佐々木小学校はそれぞれ複式学級で、一学年が1〜9名くらい。

 

3つともそれぞれに特色があって、学童保育施設も含めて先生や職員の方々が子どもたちを温かくちゃんと見守っていてくれる印象があります。

人数が少ない学校のメリットですよね^^

 

地元の地域づくり活動に小学校の先生方も何名か参加されていて、学校以外でコミュニケーションが取れるのも良いなぁと思っています!

 

実は我が家、これくらいの規模感の小学校に子どもたちを通わせたかったんです。

 

「えー!人数少ないのって不安じゃない?」

っていう方多いんですが、我が家は逆で、一学年に何クラスもあるような街中の小学校がなんとなく嫌だったんですね〜…

 

私は一学年20名くらいの小学校で育っていて、その環境がとてものびのびできて楽しかった。

夫なんて複式学級の小学校で育っているので、その良いところも悪いところもよくわかっているのです。

 

横川の小学校の規模感は我が家にとってはちょうど良くて、理想的でした。

 

唯一、大人数でしかできないスポーツを学校でできないっていう問題があると思うんですが、まあ、どうしてもさせたくなったらスポーツクラブに通えばいいので。学校でやることにこだわる必要はないかなと。

 

中学校は町内に一つしかないので、横川町内の中学生全員が同じ中学校に通います。

中学校ではクラス活動の中で地域イベントのボランティアスタッフをしたり、制作活動をしたりしているみたい。

新聞にもたまに、横川中学校の活動の記事が載っていたりします。

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横川駅構内には中学校の学校だよりや新聞記事が掲示してあって、活動の様子がわかります。

どこの地域もそうですが、小規模校はそれぞれ教育に工夫を凝らしていたり、地域との連携を密にとっていたりするので、自然と教科書には載っていないようなたくさんの社会勉強ができるのが魅力だと思っています。

 

あと、「少人数のコミュニティの中で自分の役割・居場所を見つける」能力が子どものうちから鍛えられるのも利点。

 

大人になって社会に出たら、何十人ものチームで動くってなかなかないと思うんですよね。

各メンバー個性のある少数精鋭チームの中で自分がどう立ち回るか、みたいな感覚は小規模校での学校生活と似てるかなと思います。

 

それって結構、本質的な教育じゃないですかね?

 

 

突然現れる、思わずカメラを構えるインスタ映えスポット

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高速の高架線と夕日。車で走っていて出会った景色に心惹かれて、思わず車を停めました。

 

横川は本当に絵になる町だなぁと思うんです。

「寂れてるな」って場所ももちろんありますよ。でも、それで心のシャッター降ろしちゃったらもったいない。

 

空き店舗が目立つ商店街だって、ゆっくり散歩してみたら昭和レトロな看板がそのままかかっていたり、趣ある路地があったりします。

自然がいっぱいある横川には、町中のいたるところに季節の花が咲いていますよ。

 

そうそう!横川といえば鹿児島県内でも有数の桜の名所「丸岡公園」がありますよね!

一体どれくらいの桜の木があるか、ご存知ですか?

 

実は、公園内に約2000本の桜が植えてあるのです。これって、県内ダントツ1位の本数。

つまり、丸岡公園は鹿児島一の花見スポットということ!

 

今年も、もうポツポツと桜が咲き始めてますね^^

 道端の菜の花はすでに満開!横川もいたるところが綺麗な黄色で彩られています。

 

横川の町中が色づく春、楽しみです。

 

 

個性きわだつ粒ぞろいの地元商店

私のお気に入りのお店をご紹介します。どのお店も個性豊かで幸せになれる空間。お店の方との会話も楽しみの一つです。

Gambino’s Pizzaria(ガンビーノス ピッツァリア)

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2019年秋にオープンしたイタリア人シェフのピザ屋さん!奥さんが横川出身で、イタリア人の旦那さんとUターンして開業されたそう。本場のピザが絶品&お手頃です!

 

最近、鹿児島のローカル番組や新聞で話題のイタリア人シェフのピザ屋さん「Gambino’s Pizzaria」♪実は横川のど真ん中にあります!

 

奥さんが横川町のご出身で、イタリアでシェフをされていた方と結婚して横川へUターン、2019年10月に横川小学校正門の近くにお店をopen!

「横川にピザ屋さんできるってよ!!?」と大きな話題になったのを昨日のことのように覚えています。

 

で、ここのピザが感動するほど美味しい!

生地のモチモチ感、濃厚だけど全然くどくないトマトソース、具材のバランス…もう何をとっても文句の付けどころがありません。

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ショートパスタもうまいんだこれが!!!

 

ショートパスタも5つくらいのメニューがあって、ピリ辛なものから子どもと一緒に食べられるものまで♪(うちの子達は尋常じゃない量食べました…)

 

ピザもパスタもボリューム満点なのに千円台。

人気は瞬く間に広まって、最近は霧島の某超高級ホテルからケータリングの依頼がきたり、メディアにひっきりなしに取材されています。

www.instagram.com

 

お昼時には売り切れていることもあるくらいの人気ぶり!行く前にインスタ&電話で要確認ですよ♪

Gambino’s Pizzaria(ガンビーノス ピッツァリア)

霧島市横川町中ノ198-1

営業時間は11:00〜18:00です。
店休日は日曜日になります。

TEL 0995-72-9200. 090-9477-5573

(インスタグラムより引用)

 

森山センター

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老舗酒屋さん。町外からもbarのオーナーさんが買い付けにくるらしい。中に入ると目に飛び込んでくる圧巻の焼酎コーナーは見もの。

 

横川町で5代?か6代くらい続く老舗の酒屋さん。

店内にはお酒以外に日用品コーナーや食料品コーナーもあって、スーパーの無いこの街でかなり大事な役割を担っている商店。

 

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焼酎の品揃えが半端ない老舗酒屋さん。でもね、実はウイスキーもマニアックなの置いてあるんです。酒好き天国。

 

一見、普通の酒屋さんなんですが、ここの何が凄いかって、その品揃え!!!

取り寄せも含め約400種類の焼酎を販売しているんです!

 

しかも、店内には黒伊佐錦など日常的に親しまれる焼酎から、魔王・村尾・森伊蔵といった”幻の焼酎”と呼ばれる銘柄まで、ちゃんと棚に陳列されている。

(日常のお酒〜贈答品まで対応してる酒屋さんって全然ないんですよ。大体がどちらかの専門店。だから、同じ棚に両方が並んでいる光景は本当に圧巻。)

 

私、けっこうな酒好きでして。

『紫尾の露』というさつま町の小さな酒造 軸屋酒造が作っている芋焼酎が大好きなんですが、出荷本数が少ないのか、なかなか置いてないんですね…

 

それが!森山センターさんには置いている!!もう見つけた時は「ああーーー!!!」と声が出ました(笑)

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築117年の駅舎で新酒を撮影。良い。これだけでもう美味い。

 

しかも、これまた酒好きでめっちゃ詳しい20代の息子さんがいらっしゃるんですが。

紫尾の露が置いてあることに感動してる私を見て、入荷したての”甕出し”というバージョンまで店の奥から出してきてくださった。

 

もちろん買いましたよね。新酒と甕出し、どっちも紫尾の露。

(家に帰って飲み比べしたら、味わいが全然違う。同じ蔵で同じ人が作ったお酒でもこんなに違うのかぁ〜と。同じ銘柄のバージョン違いを飲み比べたのは初めてだったので、その日は二重で感動しました。)

 

そうそう!で、ここが凄いのは焼酎だけではないのです。

ウイスキーコーナーのセンスが良すぎる!!!

 

薩摩半島の南側、南九州市加世田の津貫という地域で作られている本坊酒造津貫蒸留所マルスウイスキー

ここのウイスキーは世界大会で優勝したほどの実力派なんですが、作りだしたのが最近なのもあり、商品の普及度はそう高くはないのです。

 

……あるじゃあないか、マルスウイスキー

 

森山さん!神様ですか?!

(森山センターさんの商品選びは現社長さんが中心にされているそう。そのセンス尊敬します。ちなみに社長さんお手製の湯豆腐がめっちゃ美味しい。もう、湯豆腐屋さんもやってくださいレベルだった。)

(でもってそのセンス、良い感じに息子さん継いでるんですね。オススメしてくるお酒がめっちゃ良い。私も知らないお酒出してくる。これは将来が楽しみすぎる。森山センターさんの存在だけで酒好き移住者呼び込めるんじゃないか説。)

 

森山センター

鹿児島県霧島市横川町中ノ985 

月〜土 8:00〜19:00

日曜定休

電話:0995−72−0009

Googleより引用)

 

横川物産館よいやんせ

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年商1億以上売り上げるらしい超人気の物産館。午前中に行かないと商品が無い。

横川は農家さんが多いので地元物産館には毎朝新鮮な野菜が並びます。

霧島市の市街地から、片道40分近くかけてわざわざ買いに来る人もいるくらいの人気ぶりです。

人気すぎて、午前10時くらいまでに行かないと商品がほとんどない…私はいつも買いそびれてしまいます…

 

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白菜でかっ!やすっ!

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春の味覚もたくさん置いてあります。普通のスーパーではなかなかお目にかかれなくなりましたね。

店内レジ前に置いてあるお惣菜もすごく美味しい。横川の母の味です。

個人的にはスイートポテトが美味しい。残ってたら毎回買っちゃうんですよね。

 

『横川みそ』という地元産の麦味噌も置いてあるんですが、良い塩梅でこれまた本当に美味しいんです!

いつもの味噌汁が、この味噌とくだけでめっちゃ美味しくなる…

よく売り切れてるんですが、見つけた時はぜひお試しあれ。(物産館の他に、森山センターさんでも売ってます。)

 

横川物産館よいやんせ

霧島市横川町上ノ3411-2

【営業時間】
8時00分~17時00分
【休みの日】
12月31日~1月3日

電話:0995-64-6088

霧島市HPから引用)

 

意外な側面:イオンタウンまで約30分、町内には大企業が14社

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実はね、隣の市の大きなショッピングモールまでほぼ信号ない道を約30分で着くという近さ。

 

日本の大手ショッピングモールといえばイオン。

不便不便と言われがちな横川町ですが、実は車で約30分走ると大きなイオンのショッピングモールに着きます。

モール内にはGUとか無印とか、ニトリとか、飲食店・アパレルショップもたくさんあるし、映画館も完備。スーパーも併設で隣にはヤマダ電機も。

 

なんだかんだ言って、やっぱり近くにあると心強いイオン。ありますよ、横川の近くにも。

 

さらに意外なことに、横川町内には14社もの大手企業が営業所を構えています。

実は、ハイテク産業や製造業を対象とした工業地帯の一角に横川が入っておりまして。

最先端の真空技術を持つ会社とか、半導体作ってる会社とかの大きな工場・支社がたくさんあり、求人情報も結構出ています。

 

他にも20分圏内に大きなゴルフ場や空港・観光地・介護施設もあるので、何かしらお仕事情報はありますね。

 

 

地元の人がwelcome感満載で地元大好き

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横川町の成人式は毎年駅舎で開催。数年前、成人式をひかえた子達から「思い出の駅で成人式を挙げたい」という声があがって実現したそう。大きな愛情を感じる。


これまでいろいろと横川で「良い!」と思うところを述べてきましたが、一番はこれじゃないかなと思ってます。

 

横川に住んでる人たちが地元のこと大好き。

「横川いいでしょ」って素直に言ってくる。

 

きっと地域づくりというものに関わりのない人が聞いても、それの何が凄いのかわからないと思うんです。

(横川のどこが良いのって地元住民の方も、もちろんいるだろうし。)

 

でも、いくつかの地域に多少なりとも触れたことがある人なら、その凄さが分かるはず。

 

自分が長年住んできた町のことを好きだと、堂々と人に言えること。

良いこともあれば、しんどいこともたくさん起こるはず。それをひっくるめて「自分の町好きだ」と言える人たちが、しかもプライベートの時間を町のために使ってやりがい感じられる人たちが、顔が分かる範囲でも公民問わず30人以上、この町を育て続けていること。

 

私は「無人駅なのに横川駅はどうしてこんなに綺麗なんだろう?」から横川への興味が始まって、駅に関わる地元の人たちの想いに触れて感動して、そこからこの町自体が好きになりました。

 

同じような特徴の町は他にもたくさんあるでしょう。

でも、私にとって横川は特別で、ここがいいのです。

 

だってこの町のいろんなところから伝わってくる、地元の人たちの町への愛情に心底感動してしまったから。

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バス停かと思うくらい小さな植村駅。立ち寄ってみたら、面白い仕掛けがたくさんあった。

 

たとえば、大隅横川駅の隣にあるバス停みたいに小さな植村駅

昔、近所で火事を知らせるときに使われていた鐘を駅に移設していたり、思い出ノートが置いてあったり(ノート開くと只者じゃないクオリティのデッサン画が書かれている。題材は植村駅。誰が書いたのか?)

地元の人たちが手作りした飾りがかけてあったりして、やっぱり無人駅だけどゴミひとつ落ちていない。

 

前回紹介した赤水の岩堂磨崖仏だって、結構な山の中だけどちゃんとお供え物が置かれていて、手入れがされていた。

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「この町は愛されてるんだなぁ」と本当に思うんですよ。

だから、私もこの町の人になって、一緒に先を目指したい。

 

横川はこれから先、今までとは違う新しい役割が待っているような気がするんです。

 

過去には、産業や物流の労働力として多くの人がこの町に住み、働いていた。

でも今は、その頃とは比べ物にならないくらい人口減少も町の衰退も進んでいる。

そんな中でも町に愛情をかけて育て続ける人たちがいる。個人単位でも「小さなイベントやってみよう!」って行動できる人たちがいる。

 

経済も大事だけど、繋がりや共感、”一人ひとりの幸せ”って大事にしたいよねって価値観が見直されるであろうこれからの時代。

横川町が社会の中で担える役割は必ずある。地元の人たちが愛情かけて育ててきた”横川らしさ”をゆっくりと一人立ちさせる時期が来ている気がしてならない。

 

過疎化の急流の中で、足踏ん張って逆張りできる体力を横川は持ってますよ。

でも、今のままじゃ危ういなとも思う。

 

私が思う横川の最大の課題は、町の未来を引き継ぐ若手が少ないこと。

働き盛り・子育て盛りの20〜40代からしたら関わりにくい問題が存在するのかもしれない。

(そういうのって一つ一つは些細なものなんだけど、積もり積もって大きな壁になっていくから絶対に軽く捉えてはいけない)

 

この町で、私ができることは何だろう?

常にアンテナを張りながら、楽しみながら、私はきっと明日も横川に行く。